数字で見る女性活躍と両立支援
日本国土開発の女性活躍推進、仕事と家庭の両立支援の状況などを数字でまとめています。採用、従業員、働き方、キャリア、賃金の内容を、建設業の平均とともに、それぞれ数字で見てみましょう。
関連トピックス
- 求職者向けトピックス
建設業には、主として注文又は自己建設によって建設工事を施工する事業が分類されます。転職・就職活動では、まずは業種の内容を網羅的に…
採用
採用者の性別割合
男性
73.3%
女性
26.7%
総合職技術系
まずは業種平均から、採用者の女性割合の傾向を確認したうえで、現在の従業員の男女比も合わせて見てみましょう。上場企業における採用者の女性割合は、全体平均に比べてやや低い傾向にありそうです。
採用での競争倍率
男性
1.7倍
女性
1.4倍
総合職技術系
採用での競争倍率は、人手不足の業種ほど倍率が低くなる傾向にありそうです。一方で、上場企業では全体平均よりも格段に競争が厳しく、また、女性の競争倍率が男性よりも高くなっているようです。
中途採用実績
男性
17人
女性
3人
まずは業種平均から、中途採用で性別による傾向があるか確認しましょう。上場企業における中途採用実績は、女性の採用が男性の半分以下となっています。
従業員
従業員数
1004人
同業種の中でどの程度の会社規模か確認し、業績等も可能な限り調べておきましょう。
従業員の男女比
男性
91.9%
女性
8.1%
総合職技術系
上場企業の女性割合が低い傾向にありそうです。ただし、全体的に従業員の男女比よりも高い割合で、女性を採用しているともいえそうです。
平均勤続年数
男性
15.0年
女性
3.5年
総合職技術系
終身雇用の考えはほぼなくなってきていますが、勤続年数の平均から、中長期的なキャリア設計を測る指標として10年定着できる企業かという基準でみてもよさそうです。
働き方
有給休暇取得率
40.1%
総合職技術系
取得率と合わせて、半日単位・時間単位などでの取得や、休暇の申請方法などの実態的な内容も確認しておきましょう。
育児休業取得率
男性
94.7%
女性
0.0%
総合職技術系
取得率と合わせて、育児休業から復帰後に、短時間勤務や在宅勤務、フレックスタイムなど柔軟な働き方ができるかも確認しておきましょう。
平均残業時間
25.0時間/月
その他
数字と合わせて、長時間労働是正のための取り組みや残業の申請方法などの実態的な内容も確認しておきましょう。
キャリア
女性の係長級比率
15.6%
ー人/ー人
管理職・役員への女性登用のパイプライン構築のためには、内部人材の採用・育成の強化が必要不可欠です。外部からの採用だけでなく、既存社員へのリーダー育成に対する取り組みも確認するようにしましょう。
女性の管理職比率
2.3%
ー人/ー人
「管理職」の定義は法律でもやや曖昧で、企業によって定義が異なります。数字を参考にしつつも、フェアな賃金体制、機会の提供、業務の裁量権などの実態を確認するようにしましょう。
女性の役員比率
9.1%
ー人/ー人
政府は、プライム市場への上場企業を対象に「2030年までに女性役員の比率を30%以上に」等の数値目標を盛り込み、企業の女性登用を促しています。
賃金
男女の賃金差異(全体)
64.4%
男女の賃金差異は、女性の能力や意欲を十分に発揮できないことにつながるため、女性の自立や社会参加を阻害するだけでなく、経済成長や人口減少の対策にも悪影響を及ぼすと考えられます。
男女の賃金差異(正社員)
70.8%
日本では女性が子育てや介護を担うことが多く、キャリアの中断や時短勤務が賃金格差の要因にもなっています。柔軟な働き方に関する制度とともに、運用面の実態を把握することが重要となります。
男女の賃金差異(非正規社員)
42.5%
一般的に、女性が男性よりも非正規雇用で働く割合が高いことが、賃金格差の原因の一つとされています。また、日本では女性が子育てや介護を担うことが多く、時短勤務が賃金格差の要因となっています。
女性活躍と両立支援の取り組み
女性活躍に関する社内制度の概要
・育児休業期間の延長
・育児フレックスタイム制度(短時間勤務含む)の導入
・介護フレックスタイム制度(短時間勤務含む)の導入
・全従業員へフレックスタイム制度の導入
・時間単位の有給取得制度の導入
・テレワーク勤務制度の導入
・ワークライフバランス研修およびスキル&リーダーシップ研修等の実施
・女性リーダー職に対するキャリア開発の機会提供(キャリア面談、キャリア支援会議)
・将来の経営人財育成プログラムへの積極選抜
・育児と仕事の両立支援ハンドブック作成
・介護と仕事の両立支援ハンドブック作成
・介護相談窓口の設置
・女性専用ハラスメントホットラインの設置
・通気性を考慮した女性用ユニフォームの改良
・女性用安全帯の配布
・現場の衛生環境基準の策定
・乳がん検診及び子宮頸がん検診の費用補助
・保健師による個別面談
仕事と家庭の両立に関する社内制度の概要
・男性の育児休暇取得促進のための「育児休暇慶弔金支給制度」
・勤務地域限定キャリアパス制度
・半日単位の有給休暇制度
・職種転換制度(一般職⇔総合職)
・介護フレックスタイム制度(短時間勤務含む)の導入
・全従業員へフレックスタイム制度
・時間単位の有給取得制度の導入
・介護と仕事の両立支援ハンドブック作成・配布
・介護相談窓口の設置
・男性版育児と仕事の両立支援ハンドブック作成
長時間労働是正のための取り組み内容
・フレックス勤務制度の導入 *現場従業員はコアタイムなしのフルフレックス
・テレワーク勤務制度の導入 *在宅勤務含む
・勤務間インターバル制度の導入
・時間単位の有給休暇取得制度の導入
・人事評価を加味し、超過勤務の年間平均時間が45時間以下の従業員(管理職含む)に報奨金支給
・現場従業員の時間外労働目標設定および「現場業務における労働時間外削減のための行動指針7か条」を設定
・本社や支店などのオフィス勤務者、現場従業員、それぞれを対象にした「働き方改革研修」の推進(80回実施)
・モニタリングの強化(経営会議での全社働き方改革KPI報告)
・月次勤怠アラート配信(長時間労働が懸念される社員への状況確認)
・働き方改革に積極的な取組みを行った現場作業所の表彰(働き方改革表彰)
・働き方改革に繋がる取組み事例(動画他)を社内ポータルサイトで展開
・全従業員にモバイルPC、スマホの貸与
・システムによる勤怠管理
・週休2日サポーター制度の導入
・長時間労働者及び上司に対して産業医面談の実施
・時間外45時間を6回実施し、かつ健康リスクが高い従業員へ保健師面談を実施
その他関連する取り組み内容など
・年齢や性別、勤続年数などの制約なく、成果にコミットした上で広く活躍できる支援する目標管理制度(MBO)の導入
・多様な働き方において公平な評価をおこなう考課者研修(e-Learning)の実施
・経営戦略において必要とされる人財確保のため、社外法人、国内外の大学(院)等へ留学する社外留学制度を導入
・経営人財育成プログラム(選抜型)を実施し、つくば未来塾初等科(係長クラス)、中等科(課長クラス)、高等科(部長クラス)を男女差別することなく、選抜し、計画的な育成を図る。
・流動的な人財交流、および自律的なキャリア形成支援策として、社内公募、社内FA制度を導入
・DX戦略の推進策として、リスキリング制度導入
・エンゲージメントの向上を経営課題として掲げ、エンゲージメント調査を定期的に実施し、目標を設定。
【参考】社内制度の導入割合と業種の特徴
職種・雇用形態転換制度
在宅勤務・テレワーク
正社員再雇用・中途採用制度
短時間勤務制度
教育訓練・研修制度
病気・不妊治療休暇
キャリアコンサルティング制度
年次有給休暇時間単位取得制度
フレックスタイム制度
日本標準産業分類における「建設業」は、住宅やビル、橋や道路などのインフラ整備を行う重要な産業であり、幅広い専門技術と知識が求められます。建築、土木、設備工事などの多様な分野があり、設計士や大工、重機オペレーター、電気工事士など、さまざまな職種が協力してプロジェクトを進めます。
建設業の仕事はプロジェクトベースで行われ、契約に基づいて予算や期限を守りながら進行します。多くの専門職が連携してチームワークが求められ、特に工事現場では効率的な作業が重要です。現場では、季節や天候に影響される屋外作業が多く、肉体労働や長時間労働が必要とされる場合があります。また、高所作業や重機の使用に伴う危険があるため、事故防止のための安全対策が厳重に行われます。
建設業では、多くの職種で国家資格が必要となり、資格の取得によって収入や業務範囲が広がります。技能の向上も重要で、熟練した職人は高い技術力を評価されます。技術革新も進んでおり、BIM(Building Information Modeling)やドローン、IoT技術などが導入され、作業効率や精度が向上しています。
雇用形態は多様で、正社員だけでなく契約社員や派遣労働者、自営業の職人も多くいます。特にプロジェクトの多い時期には短期雇用が増えることがあります。建設業は地域社会との結びつきが強く、地域インフラの整備を通じて地方経済を支える役割を果たしています。
収入は安定している場合が多いですが、景気や工事需要によっては不安定になることもあります。特に公共事業の発注が多い時期には仕事が増える一方で、民間工事の需要が減少すると影響を受けることがあります。また、工期を厳守するために長時間労働が発生することもあります。
政府の支援や政策も建設業には大きな影響を与えます。インフラ整備や住宅政策の一環としての支援が行われ、若年層の参入を促進するための職業訓練プログラムも提供されています。また、建築基準法や労働基準法などの厳格な法規制があり、安全面や環境保護に関する遵守が不可欠です。