数字で見る女性活躍と両立支援
日本生命保険相互会社の女性活躍推進、仕事と家庭の両立支援の状況などを数字でまとめています。採用、従業員、働き方、キャリア、賃金の内容を、金融業、保険業の平均とともに、それぞれ数字で見てみましょう。
関連トピックス
- 求職者向けトピックス
金融業、保険業には、金融業又は保険業を営む事業が分類されます。専ら金融又は保険の事業を営む協同組合、農業又は漁業に係る共済事業を…
採用
採用者の性別割合
男性
23%
女性
77.0%
内勤職員
まずは業種平均から、採用者の女性割合の傾向を確認したうえで、現在の従業員の男女比も合わせて見てみましょう。上場企業における採用者の女性割合は、全体平均に比べてやや低い傾向にありそうです。
採用での競争倍率
男性
32.3倍
女性
18.4倍
内勤職員
採用での競争倍率は、人手不足の業種ほど倍率が低くなる傾向にありそうです。一方で、上場企業では全体平均よりも格段に競争が厳しく、また、女性の競争倍率が男性よりも高くなっているようです。
中途採用実績
男性
20人
女性
304人
「金融業、保険業」の業種における中途採用実績は、全体平均と比較して女性の採用の割合が多い傾向にあります。上場企業における中途採用実績は、女性の採用が男性の半分以下となっています。
従業員
従業員数
70714人
同業種の中でどの程度の会社規模か確認し、業績等も可能な限り調べておきましょう。
従業員の男女比
男性
30.8%
女性
69.2%
内勤職員
上場企業の女性割合が低い傾向にありそうです。ただし、全体的に従業員の男女比よりも高い割合で、女性を採用しているともいえそうです。
平均勤続年数
男性
17.9年
女性
12.7年
内勤職員
終身雇用の考えはほぼなくなってきていますが、勤続年数の平均から、中長期的なキャリア設計を測る指標として10年定着できる企業かという基準でみてもよさそうです。
働き方
有給休暇取得率
86.6%
対象全労働者
取得率と合わせて、半日単位・時間単位などでの取得や、休暇の申請方法などの実態的な内容も確認しておきましょう。
育児休業取得率
男性
100.0%
女性
100.0%
内勤職員
「金融業、保険業」の業種平均の育児休業取得率(男性)は、全体平均よりも高くなっています。取得率と合わせて、育児休業から復帰後に、短時間勤務や在宅勤務、フレックスタイムなど柔軟な働き方ができるかも確認しておきましょう。
平均残業時間
8.3時間/月
その他
数字と合わせて、長時間労働是正のための取り組みや残業の申請方法などの実態的な内容も確認しておきましょう。
キャリア
女性の係長級比率
76.8%
ー人/ー人
管理職・役員への女性登用のパイプライン構築のためには、内部人材の採用・育成の強化が必要不可欠です。外部からの採用だけでなく、既存社員へのリーダー育成に対する取り組みも確認するようにしましょう。
女性の管理職比率
25.7%
ー人/ー人
「管理職」の定義は法律でもやや曖昧で、企業によって定義が異なります。数字を参考にしつつも、フェアな賃金体制、機会の提供、業務の裁量権などの実態を確認するようにしましょう。
女性の役員比率
3.9%
ー人/ー人
政府は、プライム市場への上場企業を対象に「2030年までに女性役員の比率を30%以上に」等の数値目標を盛り込み、企業の女性登用を促しています。
賃金
男女の賃金差異(全体)
38.5%
男女の賃金差異は、女性の能力や意欲を十分に発揮できないことにつながるため、女性の自立や社会参加を阻害するだけでなく、経済成長や人口減少の対策にも悪影響を及ぼすと考えられます。
男女の賃金差異(正社員)
40.2%
日本では女性が子育てや介護を担うことが多く、キャリアの中断や時短勤務が賃金格差の要因にもなっています。柔軟な働き方に関する制度とともに、運用面の実態を把握することが重要となります。
男女の賃金差異(非正規社員)
32.6%
一般的に、女性が男性よりも非正規雇用で働く割合が高いことが、賃金格差の原因の一つとされています。また、日本では女性が子育てや介護を担うことが多く、時短勤務が賃金格差の要因となっています。
女性活躍と両立支援の取り組み
女性活躍に関する社内制度の概要
<制度>
●勤務地変更の特別取扱
・配偶者の転勤などに伴い、勤務地限定職員の継続勤務が困難となる場合、一定の要件を満たせば勤務地を変更することが可能
●ウェルカムバック制度(再雇用制度)
・配偶者の転勤や家族の介護等を理由にやむを得ず退職した職員が、一定の要件を満たした場合、再入社が可能
<女性のキャリア形成支援>
●次世代女性リーダー育成プログラム
―各種選抜研修
―女性部長職意見交換会
―役員によるメンター運営
―ビジネススクール派遣
―きらめき塾サポーター運営(エリア業務職) 等
仕事と家庭の両立に関する社内制度の概要
【仕事と育児との両立】
<制度>
●産前産後休暇
・産前6週間、産後8週間取得可能、全額有給扱
●育児休業
・子の誕生日に応じて年齢が2歳~2歳半となるまで取得可能、休業開始後7日目迄について有給
●保育所利用補助制度
・保育所等を利用しながら、継続的に勤務し育児を行う職員を対象に、経費の一部を補助
●保育所紹介制度
・ニチイ学館が運営する提携保育所を優先的に紹介
●育児短時間フレックスタイム制
・養育する子が小学校就学後最初の8月末日迄、申請により、所定の労働時間を短縮しながら、始業終業時刻を柔軟に設定可能
●看護休暇
・小学校入学迄の子を看護するために年間10日の特別休暇を取得可能
<両立に向けた取組>
●ライフイベントとの両立を支えつつ、中長期の視点でキャリアビジョンを描くために、仕事と育児を両立しながらキャリアを積んでいく女性を対象に、妊娠中・産育休中・復職後の各課題に応じた情報提供(<仕事と育児の両立>働き方ガイダンス、両立支援メール、復職準備セミナー、仕事と育児との両立セミナー)を行っています。
また、周囲の理解・育てる意識が女性の活躍を支えるという認識のもと、管理職や男性の意識改革にも取り組んでいます。
【仕事と介護との両立】
<制度>
●介護休業
・対象家族1名につき3回、365日迄取得可能
●介護短時間フレックスタイム制
・対象家族1名につき、3回、1096日迄、申請により、所定の労働時間を短縮しながら、始業終業時刻を柔軟に設定可能
●介護休暇
・家族の介護のために年20日の特別休暇を取得可能
●治療・介護サポート積立休暇
病気治療、不妊治療や介護時に取得できる積立休暇(最大60日)
●日数限定勤務制
・家族の介護等のために勤務日数の一部免除を希望し、一定の要件を満たした場合、勤務日数を1週間に3日または4日にする取扱
<両立に向けた取組>
●『介護に向き合う全員行動』
●介護を知る・理解するための行動
・セミナーへの参加
・認知症サポーターの取得 等
●介護の発生に備える行動
・親等の状況や考えを知る
・家族と役割分担を話し合う
・介護に備え情報を収集する 等
●介護と仕事との両立に向けた行動
・得た知識や準備等をふまえ仕事との両立を実現する
<その他>
●ライフサポート休暇
・各自のライフスタイルに合わせ、ボランティア参加等の際にも取得することができる特別休暇
長時間労働是正のための取り組み内容
・水曜日は18時完全退社、それ以外は20時完全退社を徹底することで早帰りを推進
・月1休暇をはじめとした休暇取得の推進 等
その他関連する取り組み内容など
【関連情報】
・WEPs(女性のエンパワーメント原則)署名企業
・「『輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会』行動宣言」賛同企業
・NPO法人ファザーリング・ジャパン主催イクボス企業同盟加盟企業
・経済産業省「ダイバーシティ経営企業100選」表彰受賞(平成26年度)
・札幌市「札幌市LGBTフレンドリー企業」2019 ★★★(星3つ)
・work with Pride「Pride指標」2023ゴールド
・厚生労働省「グッドキャリア企業アワード」2019大賞(厚生労働大臣表彰)
・内閣府「女性が輝く先進企業表彰」2019内閣府特命担当大臣(男女共同参画)表彰
・日経WOMAN「女性が活躍する会社」2023 ワークライフバランス度 第1位(2019から5年連続)
・日経DUAL「共働き子育てしやすい企業ランキング」2020 第1位
・経済産業省「健康経営優良法人2020(ホワイト500)認定
・第8回GOOD ACTIONアワード受賞(2021年度)
・大阪市女性活躍リーディングカンパニー★★★認証(2023年度)
【参考】社内制度の導入割合と業種の特徴
職種・雇用形態転換制度
在宅勤務・テレワーク
正社員再雇用・中途採用制度
短時間勤務制度
教育訓練・研修制度
病気・不妊治療休暇
キャリアコンサルティング制度
年次有給休暇時間単位取得制度
フレックスタイム制度
日本標準産業分類における「金融業、保険業」は、資金の調達や運用、保険商品の提供を通じて経済活動を支える重要な役割を果たしています。銀行や証券会社、保険会社などが含まれ、資金運用やリスク管理が中心業務です。
金融業では、顧客の資産状況を分析し、適切な運用方法を提案するため、データ分析や数字に強いことが重要です。保険業ではリスクを評価し、最適な保険料を設定するため、統計的な分析力が必要です。また、顧客との信頼関係が重要であり、長期的な契約を維持するためには、適切な商品提案と迅速なカスタマーサポートが求められます。さらに、金融業、保険業ともにリスク管理が必須であり、金融機関は貸し倒れリスクや市場リスクに対して高度なリスク管理体制を整えています。法令遵守や内部監査も重要で、コンプライアンスの徹底が求められます。
近年ではフィンテックの進展により、オンラインバンキングやキャッシュレス決済、ロボアドバイザーなど新しいサービスが次々に登場し、IT技術を活用した業務効率化が進んでいます。これに伴い、サイバーセキュリティ対策も強化されており、顧客の資産や個人情報を保護するための最新技術が求められます。さらに、金融業や保険業は国際的な取引や海外市場での活動が増加しており、外国語スキルや国際的な金融規制に対する理解も必要です。多国籍企業との取引や海外進出の機会も多く、グローバルなビジネス経験が求められる場面も増えています。
金融業、保険業は高収入が期待できる分野であり、成果に応じた報酬制度が設けられていることが多いです。特に資産運用や投資に携わる職種では、成功次第でインセンティブが支給され、高い報酬を得ることが可能です。また、銀行や証券会社では営業職やアナリストからマネジメント職、さらには経営層へのキャリアアップが期待されます。保険業でも、営業職から管理職や企画職へとキャリアを進めることができ、金融業界の経験は他業種でも活かされるため、幅広いキャリアパスが開かれています。
社会的な影響力も大きく、金融機関は企業への融資を通じて経済成長や社会インフラ整備に貢献し、保険業ではリスクに備える商品提供を通じて個人や企業に安心を提供しています。このように、金融業、保険業は経済の安定と成長に貢献する重要な役割を果たし、社会全体に対する貢献が求められる仕事です。