数字で見る女性活躍と両立支援
豊田通商の女性活躍推進、仕事と家庭の両立支援の状況などを数字でまとめています。採用、従業員、働き方、キャリア、賃金の内容を、卸売業、小売業の平均とともに、それぞれ数字で見てみましょう。
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卸売業、小売業には、原則として、有体的商品を購入して販売する事業が分類されます。転職・就職活動では、まずは業種の内容を網羅的に…
採用
採用者の性別割合
男性
70%
女性
30.0%
新卒 基幹職掌(グローバル職)
まずは業種平均から、採用者の女性割合の傾向を確認したうえで、現在の従業員の男女比も合わせて見てみましょう。上場企業における採用者の女性割合は、全体平均に比べてやや低い傾向にありそうです。
採用での競争倍率
男性
57.1倍
女性
57.6倍
基幹職掌(グローバル職)
採用での競争倍率は、人手不足の業種ほど倍率が低くなる傾向にありそうです。一方で、上場企業では全体平均よりも格段に競争が厳しく、また、女性の競争倍率が男性よりも高くなっているようです。
中途採用実績
男性
69人
女性
14人
まずは業種平均から、中途採用で性別による傾向があるか確認しましょう。上場企業における中途採用実績は、女性の採用が男性の半分以下となっています。
従業員
従業員数
3671人
同業種の中でどの程度の会社規模か確認し、業績等も可能な限り調べておきましょう。
従業員の男女比
男性
87.7%
女性
12.3%
基幹職掌(グローバル職)
上場企業の女性割合が低い傾向にありそうです。ただし、全体的に従業員の男女比よりも高い割合で、女性を採用しているともいえそうです。
平均勤続年数
男性
16.9年
女性
15.8年
正社員
終身雇用の考えはほぼなくなってきていますが、勤続年数の平均から、中長期的なキャリア設計を測る指標として10年定着できる企業かという基準でみてもよさそうです。
働き方
有給休暇取得率
62.5%
正社員
取得率と合わせて、半日単位・時間単位などでの取得や、休暇の申請方法などの実態的な内容も確認しておきましょう。
育児休業取得率
男性
53.3%
女性
80.0%
基幹職掌(グローバル職)
取得率と合わせて、育児休業から復帰後に、短時間勤務や在宅勤務、フレックスタイムなど柔軟な働き方ができるかも確認しておきましょう。
平均残業時間
23.1時間/月
その他
数字と合わせて、長時間労働是正のための取り組みや残業の申請方法などの実態的な内容も確認しておきましょう。
キャリア
女性の係長級比率
51.8%
349人/674人
管理職・役員への女性登用のパイプライン構築のためには、内部人材の採用・育成の強化が必要不可欠です。外部からの採用だけでなく、既存社員へのリーダー育成に対する取り組みも確認するようにしましょう。
女性の管理職比率
8.4%
120人/1434人
「管理職」の定義は法律でもやや曖昧で、企業によって定義が異なります。数字を参考にしつつも、フェアな賃金体制、機会の提供、業務の裁量権などの実態を確認するようにしましょう。
女性の役員比率
7.3%
4人/55人
政府は、プライム市場への上場企業を対象に「2030年までに女性役員の比率を30%以上に」等の数値目標を盛り込み、企業の女性登用を促しています。
賃金
男女の賃金差異(全体)
60.3%
男女の賃金差異は、女性の能力や意欲を十分に発揮できないことにつながるため、女性の自立や社会参加を阻害するだけでなく、経済成長や人口減少の対策にも悪影響を及ぼすと考えられます。
男女の賃金差異(正社員)
59.2%
日本では女性が子育てや介護を担うことが多く、キャリアの中断や時短勤務が賃金格差の要因にもなっています。柔軟な働き方に関する制度とともに、運用面の実態を把握することが重要となります。
男女の賃金差異(非正規社員)
43.4%
一般的に、女性が男性よりも非正規雇用で働く割合が高いことが、賃金格差の原因の一つとされています。また、日本では女性が子育てや介護を担うことが多く、時短勤務が賃金格差の要因となっています。
女性活躍と両立支援の取り組み
※その他
なでしこ銘柄(平成24年度)、準なでしこ(令和3年度)に選定
https://www.toyota-tsusho.com/press/detail/220322_005001.html
女性活躍に関する社内制度の概要
■職掌統合
2017年新人事制度を導入、業務職・担当職の職域区分を撤廃する職掌統合を行い役割の固定概念を払拭、意欲と能力のある女性が、より活躍の場を広げることができる仕組みへ転換を図りました。現在、地域限定職からグローバル職へと移行する社員や、また旧業務職の管理職昇進やライン長に就く社員もあり、意欲と能力のある女性が活躍できる仕組みを導入しています。
■キャリア支援制度
・「グローバル職⇔地域限定職の移行制度」
・「配偶者の海外転勤帯同による休職制度」配偶者の海外転勤事由発生時、退職せずに休職により配偶者に帯同できる制度。
・「キャリアブリッジ制度」結婚や配偶者の転勤に伴う移住居の変更により退職せざるを得ない社員のキャリア継続支援や、意欲的に自己研鑚しキャリアアップに取り組む優秀な社員の確保を目的とした再雇用制度。
■風土醸成、その他の取り組み
・新入社員、新任の管理職やメンターとなる管理職へ、女性をはじめ多様な人材の活躍の重要性/必要性について学ぶ研修を実施。
・「働く世代の女性の健康に関するセミナー」を実施。女性は自身の健康についての知識を深める機会、男性は身近な女性の健康や女性の働き方についての理解を深める機会として実施。
仕事と家庭の両立に関する社内制度の概要
■両立支援制度
豊田通商では、社員が仕事と家庭を両立できるよう、柔軟な働き方を支援する「フレックスタイム制度」、「在宅勤務制度」、「小学校4年生の年度末まで利用可能な短時間勤務制度」など、さまざまな制度の充実と利用促進を進めています。
・育児休業制度:男女問わず子どもが満2歳に達するまでの間、育児休業を取得することが可能。育児から学ぶ「育習」を推奨し、育児休業期間のうち最大20日を有給化
・育休復帰支援制度:育児休業を取得された社員の皆様のスムーズな復帰を支援すべく上長、人事部との面談を実施。復帰後の働き方の確認や不安の払拭、社内制度の正しい理解・利用促進を支援。
・その他母性保護制度:妊産婦および女性社員の母性保護を目的として、妊娠障害休暇、妊娠中の通院の許可、通勤緩和の措置、時間外労働の制限など、休暇やフレックスタイム制度の利用が保障。
・配偶者出産休暇:配偶者の出産を理由として有給休暇を2日取得可能
■その他取り組み
・「いきワク活動」:多様な人材が活き活き働く組織、チームで高い成果を出す組織の実現のため、チームの持続的生産性の向上を行う活動。社員が互いに異なる価値観を受け止め尊重しながら、生産性を高めていく意識・風土を醸成しています。
・「男性育休取得促進」:配偶者が出産した社員全員とその上司に個別育休制度の案内を発信。また全社員にe-learning「働き方改革とカップルの子育て」を開講、ハンドブック配布や男性の育休取得事例を紹介する等、男性社員の育児休業制度の理解と利用しやすい風土作りを行い、男性の育児参画を促進しています。
・「ワーキングマザーネットワーク」:母親社員同士が育児やキャリア等様々な情報交換ができる自律的なネットワークの支援・場を提供、社内制度や働き方について人事部と意見交換をする場も設けています。
・ようこそ豊通:家族参加型の会社紹介イベント「ようこそ豊通」を開催し、社員の家族との時間や子育てをサポートする活動にも取り組んでいます。
長時間労働是正のための取り組み内容
当社は社員の健康維持・促進、ワークライフバランスの観点から、長時間労働削減やサービス残業撲滅を基本方針とし、以下取り組みを行っています。
■勤務管理
勤務管理システムにて、残業事前申請制度を徹底、就業時間や業務の進行状況を上長が速やかに把握、適正な業務配分や健康管理の実施。
また、勤務間インターバル制度導入による注意喚起や、パソコンのログイン・ログオフ時間と勤務時間の乖離状況を見える化。
■業務配分、効率化
・グループ単位で行う「いきワク活動」にて、業務の効率化や働き方等、組織の在り方等メンバー自身がテーマを決め、組織の持続的な生産性の向上のために全員で取り組む活動を継続して実施。
・「改善提案制度」
■休暇取得促進
・「有休ツキイチ取得運動」を継続して実施。半日での取得を可能とする半日有休休暇取得を促進。
・連続した休暇取得と費用補助を行う「リフレッシュ休暇」制度にて、有意義な有給休暇取得を促進。
・「ボランティア休暇」自発的な社会貢献活動をする際に付与される休暇
■その他取組
・労使で委員会を設置し、長時間労働の是正に向けた施策を検討、実施。
・長時間労働の是正が進まない部署の担当役員及び部長と、人事担当役員、人事部長が面談を実施し、解決策を検討。
・長時間労働者に対する産業医面談の実施
・早期退社を促す20時の社内一斉消灯
・全社員必須の「労務管理e-learnig」(管理職用、一般社員用)定期的に実施し適正な時間管理について周知・指導を徹底。加えて新任管理職向けに個別研修を実施。
・新在宅勤務制度の導入、在宅勤務手当の支給等、全社的にテレワークと出社のベストミクスを推奨、生産性を高めるより柔軟な働き方を実現する環境を整備。
その他関連する取り組み内容など
当社は、多様性を尊重して受け入れ積極的に生かすことが、当社の優位性を高めることにつながると確信し、経営戦略としてダイバーシティ&インクルージョンを推進、多様な社員一人ひとりが「強い個」として豊かな個性を発揮し、互いに影響し合い共に進化しながら「強い組織」を構築していくことを目指しています。加えて、属性に関わらず個人の能力に基づく選抜・育成・評価・登用を徹底することにより、多様な個性や経験をもつ人材が管理職等の中核人材として活躍することを推進しています。
■女性活躍推進
当社は2006年ダイバーシティ推進室を設置、女性の活躍を最優先のテーマとして取り組みを開始、2014年に経営トップによる「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)宣言」の下、女性活躍を推進する取り組みを大きく下記3つのアプローチに分け取り組みを進めてきました。
①女性が働きやすい職場環境づくり
②男女における公平な機会提供
③女性活躍に関する実績数値の成果出し
今後、女性活躍推進の土台となる①・②のもと、2025年4月迄に女性管理職比率を10%にする目標を立て、女性活躍推進の取り組みを更に強化していく所存です。
■当社ウェブサイトリンク
【多様性の促進(方針、女性活躍推進、風土醸成等)】
https://www.toyota-tsusho.com/csr/social/diversity.html#anc02
【労働環境(両立支援、キャリア支援、働き方改革等)】
https://www.toyota-tsusho.com/sustainability/social/working-env.html
【人事面の取り組み(人事制度、人材育成)】
https://www.toyota-tsusho.com/csr/social/hr-activity.html
【参考】社内制度の導入割合と業種の特徴
職種・雇用形態転換制度
在宅勤務・テレワーク
正社員再雇用・中途採用制度
短時間勤務制度
教育訓練・研修制度
病気・不妊治療休暇
キャリアコンサルティング制度
年次有給休暇時間単位取得制度
フレックスタイム制度
日本標準産業分類における「卸売業、小売業」は、商品を消費者や企業に届ける重要な役割を担い、日常生活や経済活動に深く関わっています。卸売業は、生産者から大量の商品を仕入れ、主に企業間取引(B2B)を通じて販売し、物流や倉庫管理、取引先との交渉が中心です。一方、小売業は、消費者に直接商品を販売するB2C取引が中心であり、顧客対応やマーケティング、店舗運営が重要な役割を果たします。
卸売業や小売業では、適切な仕入れ価格の確保と在庫管理が利益を確保する鍵であり、需要予測や価格動向の把握が求められます。また、オンラインショッピングの普及により、ECサイトの運営やデジタルマーケティングの重要性が増しています。オンラインと実店舗を連携させたオムニチャネル戦略も消費者の利便性を高める手法として注目されています。小売業では、店舗の営業時間に合わせたシフト勤務が一般的であり、繁忙期には特に効率的な人員配置と在庫管理が求められます。
さらに、IT技術の進展により、小売業ではPOSシステムを活用したリアルタイムの売上・在庫管理が可能となり、ビッグデータやAIを活用した需要予測や顧客分析も進展しています。コミュニケーション能力も重要であり、小売業では顧客対応、卸売業では取引先との交渉力が求められます。また、市場トレンドや消費者ニーズの変化に敏感であることが、この業界では特に重要です。最近では、エシカル消費やサステナビリティに対する関心が高まっており、企業は環境に配慮した商品やサービスを提供する必要が出てきています。
給与水準は職種や業種によって異なり、小売業の接客業務では初任給が低めですが、管理職やバイヤーとしてキャリアアップすることで収入が向上します。また、大手企業では研修制度が整備され、キャリアパスが多様で、店舗管理や商品企画、マーケティング職など、さまざまな道が開かれています。