数字で見る女性活躍と両立支援
伊藤忠商事の女性活躍推進、仕事と家庭の両立支援の状況などを数字でまとめています。採用、従業員、働き方、キャリア、賃金の内容を、卸売業、小売業の平均とともに、それぞれ数字で見てみましょう。
関連トピックス
- 求職者向けトピックス
卸売業、小売業には、原則として、有体的商品を購入して販売する事業が分類されます。転職・就職活動では、まずは業種の内容を網羅的に…
採用
採用者の性別割合
男性
64%
女性
36.0%
正社員
まずは業種平均から、採用者の女性割合の傾向を確認したうえで、現在の従業員の男女比も合わせて見てみましょう。上場企業における採用者の女性割合は、全体平均に比べてやや低い傾向にありそうです。
採用での競争倍率
男性
ー倍
女性
ー倍
採用での競争倍率は、人手不足の業種ほど倍率が低くなる傾向にありそうです。一方で、上場企業では全体平均よりも格段に競争が厳しく、また、女性の競争倍率が男性よりも高くなっているようです。
中途採用実績
男性
19人
女性
5人
まずは業種平均から、中途採用で性別による傾向があるか確認しましょう。上場企業における中途採用実績は、女性の採用が男性の半分以下となっています。
従業員
従業員数
4215人
同業種の中でどの程度の会社規模か確認し、業績等も可能な限り調べておきましょう。
従業員の男女比
男性
75%
女性
25.0%
正社員
上場企業の女性割合が低い傾向にありそうです。ただし、全体的に従業員の男女比よりも高い割合で、女性を採用しているともいえそうです。
平均勤続年数
男性
18.2年
女性
18.0年
正社員
終身雇用の考えはほぼなくなってきていますが、勤続年数の平均から、中長期的なキャリア設計を測る指標として10年定着できる企業かという基準でみてもよさそうです。
働き方
有給休暇取得率
64.7%
正社員
取得率と合わせて、半日単位・時間単位などでの取得や、休暇の申請方法などの実態的な内容も確認しておきましょう。
育児休業取得率
男性
53.0%
女性
100.0%
正社員
取得率と合わせて、育児休業から復帰後に、短時間勤務や在宅勤務、フレックスタイムなど柔軟な働き方ができるかも確認しておきましょう。
平均残業時間
12.4時間/月
対象正社員
数字と合わせて、長時間労働是正のための取り組みや残業の申請方法などの実態的な内容も確認しておきましょう。
キャリア
女性の係長級比率
38.5%
ー人/ー人
管理職・役員への女性登用のパイプライン構築のためには、内部人材の採用・育成の強化が必要不可欠です。外部からの採用だけでなく、既存社員へのリーダー育成に対する取り組みも確認するようにしましょう。
女性の管理職比率
8.8%
ー人/ー人
「管理職」の定義は法律でもやや曖昧で、企業によって定義が異なります。数字を参考にしつつも、フェアな賃金体制、機会の提供、業務の裁量権などの実態を確認するようにしましょう。
女性の役員比率
12.2%
ー人/ー人
政府は、プライム市場への上場企業を対象に「2030年までに女性役員の比率を30%以上に」等の数値目標を盛り込み、企業の女性登用を促しています。
賃金
男女の賃金差異(全体)
58.5%
男女の賃金差異は、女性の能力や意欲を十分に発揮できないことにつながるため、女性の自立や社会参加を阻害するだけでなく、経済成長や人口減少の対策にも悪影響を及ぼすと考えられます。
男女の賃金差異(正社員)
59.3%
日本では女性が子育てや介護を担うことが多く、キャリアの中断や時短勤務が賃金格差の要因にもなっています。柔軟な働き方に関する制度とともに、運用面の実態を把握することが重要となります。
男女の賃金差異(非正規社員)
52.5%
一般的に、女性が男性よりも非正規雇用で働く割合が高いことが、賃金格差の原因の一つとされています。また、日本では女性が子育てや介護を担うことが多く、時短勤務が賃金格差の要因となっています。
女性活躍と両立支援の取り組み
伊藤忠商事は、多様化する消費者ニーズをマーケットインの発想で捉え、新たな価値提供のためには「多様性を受容し、活かすこと」(DE&I:Diversity, Equity & Inclusion)が不可欠と考えており、人種、性、宗教、国籍、年齢等、あらゆる差別を禁止し、人権を尊重します。職場において従業員がパワーハラスメント、セクシャルハラスメント、SOGI(Sexual Orientation and/or Gender Identity)ハラスメントを受けることなく、また、多様な価値観を受容し、柔軟な働き方の実現や個別支援等を実施しています。従業員一人ひとりの主体的なキャリア形成を支援し、多様な価値観が尊重され、全ての従業員が能力を最大限に発揮できる「厳しくとも働きがいのある」企業風土づくりを推進しています。
長時間労働是正のための取り組み内容
・2013年10月に導入した「朝型勤務制度」は、「夜は早く帰り、朝早く出社して効率的に働く」という従業員の意識改革が進み、当社らしい働き方が着実に定着。
<制度概要>
20:00~22:00の勤務は「原則禁止」。業務が残っている場合は翌営業日朝へシフト。5:00~8:00が朝型勤務推奨時間帯。
7:50以前に勤務を開始した場合は、インセンティブとして、9:00まで深夜勤務と同様の割増賃金(25%)を支給。
22:00~5:00の深夜勤務「禁止」。
8:00以前に出勤した従業員には、軽食を3品配布。
・2021年12月に実施した従業員エンゲージメント調査結果において、多様な働き方への更なる支援の必要性を把握したことから、2022年5月より「朝型フレックスタイム制度」、「在宅勤務制度」を導入。これにより、早く出社(始業)し早く退社(終業)することが可能となり、空いた時間を自己啓発や育児・介護等に活用することで従業員のモチベーションが高まり、労働生産性・企業価値の向上に繋がることを期待。
今後も「働き方改革」を通じ総労働時間の削減にも注力。今後も従業員一人ひとりの働き方に対する意識改革と併せて業務改革をバランスよく推進し、更なる業務効率化や従業員の健康保持・増進、育児・介護等の理由で時間的制約のある従業員の活躍支援等、多様な人材が最大限能力を発揮できる職場環境の実現を目指す。
その他関連する取り組み内容など
女性活躍にむけて(当社代表取締役会長CEO 岡藤メッセージ)
今般、伊藤忠商事では、女性従業員のみを対象とした執行役員選考ルールを新設し、2024年4月から新たに5人の女性執行役員を内部から登用することを決定しました。内部登用を選択した最大の理由は、女性の登用だけが目的とならないよう、会社全体で女性管理職、役員を「育成」する文化の醸成、更なる意識改革が必要であったからです。多様性に富み、強くレジリエントな取締役会や企業風土は一朝一夕にできるものではなく、何年もかけ、つくりあげていくものです。
また、伊藤忠商事では「働き方改革」の次の打ち手を「フェムテック」としています。女性が働き続ける時に遭遇する様々な障壁を一つでも取り除くことで、一層女性が活躍できる会社を目指したいと思います。
そのような会社では、性別にかかわらず誰もが力を発揮してくれるはずです。
【参考】社内制度の導入割合と業種の特徴
職種・雇用形態転換制度
在宅勤務・テレワーク
正社員再雇用・中途採用制度
短時間勤務制度
教育訓練・研修制度
病気・不妊治療休暇
キャリアコンサルティング制度
年次有給休暇時間単位取得制度
フレックスタイム制度
日本標準産業分類における「卸売業、小売業」は、商品を消費者や企業に届ける重要な役割を担い、日常生活や経済活動に深く関わっています。卸売業は、生産者から大量の商品を仕入れ、主に企業間取引(B2B)を通じて販売し、物流や倉庫管理、取引先との交渉が中心です。一方、小売業は、消費者に直接商品を販売するB2C取引が中心であり、顧客対応やマーケティング、店舗運営が重要な役割を果たします。
卸売業や小売業では、適切な仕入れ価格の確保と在庫管理が利益を確保する鍵であり、需要予測や価格動向の把握が求められます。また、オンラインショッピングの普及により、ECサイトの運営やデジタルマーケティングの重要性が増しています。オンラインと実店舗を連携させたオムニチャネル戦略も消費者の利便性を高める手法として注目されています。小売業では、店舗の営業時間に合わせたシフト勤務が一般的であり、繁忙期には特に効率的な人員配置と在庫管理が求められます。
さらに、IT技術の進展により、小売業ではPOSシステムを活用したリアルタイムの売上・在庫管理が可能となり、ビッグデータやAIを活用した需要予測や顧客分析も進展しています。コミュニケーション能力も重要であり、小売業では顧客対応、卸売業では取引先との交渉力が求められます。また、市場トレンドや消費者ニーズの変化に敏感であることが、この業界では特に重要です。最近では、エシカル消費やサステナビリティに対する関心が高まっており、企業は環境に配慮した商品やサービスを提供する必要が出てきています。
給与水準は職種や業種によって異なり、小売業の接客業務では初任給が低めですが、管理職やバイヤーとしてキャリアアップすることで収入が向上します。また、大手企業では研修制度が整備され、キャリアパスが多様で、店舗管理や商品企画、マーケティング職など、さまざまな道が開かれています。