数字で見る女性活躍と両立支援
全日本空輸の女性活躍推進、仕事と家庭の両立支援の状況などを数字でまとめています。採用、従業員、働き方、キャリア、賃金の内容を、運輸業、郵便業の平均とともに、それぞれ数字で見てみましょう。
関連トピックス
- 求職者向けトピックス
運輸業、郵便業には、鉄道、自動車、船舶、航空機又はその他の運送用具による旅客、貨物の運送業、倉庫業、運輸に附帯するサービス業を営…
採用
採用者の性別割合
男性
58.7%
女性
41.3%
グローバルスタッフ職事務
まずは業種平均から、採用者の女性割合の傾向を確認したうえで、現在の従業員の男女比も合わせて見てみましょう。上場企業における採用者の女性割合は、全体平均に比べてやや低い傾向にありそうです。
採用での競争倍率
男性
46.1倍
女性
67.5倍
グローバルスタッフ職事務
採用での競争倍率は、人手不足の業種ほど倍率が低くなる傾向にありそうです。一方で、上場企業では全体平均よりも格段に競争が厳しく、また、女性の競争倍率が男性よりも高くなっているようです。
中途採用実績
男性
41.0人
女性
18.0人
まずは業種平均から、中途採用で性別による傾向があるか確認しましょう。上場企業における中途採用実績は、女性の採用が男性の半分以下となっています。
従業員
従業員数
16270人
同業種の中でどの程度の会社規模か確認し、業績等も可能な限り調べておきましょう。
従業員の男女比
男性
69.9%
女性
30.1%
グローバルスタッフ職事務
「運輸業、郵便業」の業種は、全体平均と比較して、従業員の女性割合が低い傾向にありそうです。ただし、平均としては、従業員の男女比よりも高い割合で、女性を採用しているともいえそうです。
平均勤続年数
男性
3.0年
女性
16.7年
エキスパートスタッフ職
終身雇用の考えはほぼなくなってきていますが、勤続年数の平均から、中長期的なキャリア設計を測る指標として10年定着できる企業かという基準でみてもよさそうです。
働き方
有給休暇取得率
76.4%
グローバルスタッフ職事務
取得率と合わせて、半日単位・時間単位などでの取得や、休暇の申請方法などの実態的な内容も確認しておきましょう。
育児休業取得率
男性
66.7%
女性
93.3%
グローバルスタッフ職事務
取得率と合わせて、育児休業から復帰後に、短時間勤務や在宅勤務、フレックスタイムなど柔軟な働き方ができるかも確認しておきましょう。
平均残業時間
9.2時間/月
対象正社員
数字と合わせて、長時間労働是正のための取り組みや残業の申請方法などの実態的な内容も確認しておきましょう。
キャリア
女性の係長級比率
58.8%
ー人/ー人
管理職・役員への女性登用のパイプライン構築のためには、内部人材の採用・育成の強化が必要不可欠です。外部からの採用だけでなく、既存社員へのリーダー育成に対する取り組みも確認するようにしましょう。
女性の管理職比率
20.2%
ー人/ー人
「管理職」の定義は法律でもやや曖昧で、企業によって定義が異なります。数字を参考にしつつも、フェアな賃金体制、機会の提供、業務の裁量権などの実態を確認するようにしましょう。
女性の役員比率
23.4%
ー人/ー人
政府は、プライム市場への上場企業を対象に「2030年までに女性役員の比率を30%以上に」等の数値目標を盛り込み、企業の女性登用を促しています。
賃金
男女の賃金差異(全体)
42.8%
男女の賃金差異は、女性の能力や意欲を十分に発揮できないことにつながるため、女性の自立や社会参加を阻害するだけでなく、経済成長や人口減少の対策にも悪影響を及ぼすと考えられます。
男女の賃金差異(正社員)
41.8%
日本では女性が子育てや介護を担うことが多く、キャリアの中断や時短勤務が賃金格差の要因にもなっています。柔軟な働き方に関する制度とともに、運用面の実態を把握することが重要となります。
男女の賃金差異(非正規社員)
35.4%
一般的に、女性が男性よりも非正規雇用で働く割合が高いことが、賃金格差の原因の一つとされています。また、日本では女性が子育てや介護を担うことが多く、時短勤務が賃金格差の要因となっています。
女性活躍と両立支援の取り組み
女性活躍に関する社内制度の概要
■職掌転換制度
・客室常務職からグローバルスタッフ職、エキスパートスタッフ職
・エキスパートスタッフ職からグローバルスタッフ職
■育児/介護のための短時間勤務制度、短日数勤務制度
■配偶者海外転勤休職制度
■退職者再雇用制度(客室乗務職対象)
■ANAグループ人財公募
■社員向けオープンセミナー・通信教育/スクール費用補助制度
■企業内保育所の設置(羽田・沖縄)
■事由を問わず取得可能な休業・休職制度の導入(最大2年間、2021年度~)
■事由を問わず取得可能な短時間・短日数制度の導入(2021年度~)
●ワークプレイス選択制度
居住地に関する事情(配偶者の居住地、介護、出身地への Uターン等)がある場合に、柔軟な働き方ができるよう、各地域のグループ会社への転籍を希望できる制度
■成長支援プラットフォーム(職種転換サポート)展開
■メンターtoスポンサー制度実施
仕事と家庭の両立に関する社内制度の概要
■テレワーク制度(1日3回まで勤務中断が可能)
■休暇滞在先でのリモートワークを可能とする「ワーケーション制度」導入
■サテライトオフィス設定
■フレックス勤務制度(コアタイム時間の撤廃)
■半日有休休暇制度
■各種セミナー開催(育児・介護と仕事の両立支援)
長時間労働是正のための取り組み内容
長時間労働是正のための取組内容:
【長時間労働是正のための取組】
・2016年より「働き方改革」を経営トップメッセージとして発信、推進中。「マネジメント改革」として経営層・マネジメント層の意識改革とコミットメントによる行動化や、「業務プロセス改革」として新たな業務ツールを導入した勤務時間管理徹底や効率的な会議運営等を再整理しています。
・2017年は更なる推進のため「働き方改革推進」宣言を実施、2018年は新しい会議ルール、資料作成ルールの設定、「カイゼン推進室」を新設し業務のムリムダをなくしより良い仕事に変えていく「生産性向上」にも取組むことで、さらに働き方改革を加速させ、全社員がいきいきと働ける環境を整えることを目指しています。
・昨今では出社を原則とした働き方から「場所に捉われない働き方」への移行を進めており、リモート環境でも適切な労働時間管理ができるよう モバイル端末で操作できる勤怠管理ツールを導入しています。
・ITツールの活用(仮想デスクトップ・スマートフォンの導入、会議室設備強化等)
・法令協定セミナーにより法令順守を含めた理解徹底
【その他具体的な施策・数値目標など】
・2023年度 目標設定
各部の特性に応じた総実労働時間・時間外労働時間目標値を設定
その他関連する取り組み内容など
○女性登用に関する目標:
・2020年代の可能な限り早期での女性役員・女性管理職比率 30%以上を達成
・IATA(国際航空運送協会)「25by2025」に参画、2025年までに
「上級職(Senior Position)に就く女性社員数を現状に対し25%増加させること」
「運航乗務職や整備士など女性が少数派である分野における女性の社員数を現状に対し25%増加させること」
○各種報告書での情報開示の有無等 統合発行有無:(有)、統合記載有無:(有)
○外部評価
2014「なでしこ銘柄」選定
2016「なでしこ銘柄」選定
2017「なでしこ銘柄」選定
2018「なでしこ銘柄」選定
2016「新・ダイバーシティ経営企業100選」選出
2016 日経WOMAN「女性が活躍する会社BEST100」
女性活躍推進度 1位・総合6位
2016 日本テレワーク協会「第16回テレワーク推進賞」優秀賞
2016 総務省「テレワーク先駆者百選」選出
2019 イクメン企業アワード 両立支援部門 特別奨励賞
2020 厚生労働省子育てサポート企業「プラチナくるみん」認定
2021 IATA(国際航空運送協会)主催 ダイバーシティ&インクルージョン アワードにて
ダイバーシティ&インクルージョン チーム賞 受賞
2022 えるぼし認定 認定段階3 取得
D&I AWARD 2022「ベストワークプレイス賞」受賞
○署名・賛同
「WEPs(女性のエンパワーメント原則)」に署名
「輝く女性の活躍を加速する男リーダーの会」行動宣言に賛同
「30% Club Japan」メンバーに加盟
○その他
女性活躍推進のための具体的施策として
・成長支援プラットフォーム(職種転換サポート)展開
・メンターtoスポンサー制度実施
・ANAグループ女性活躍推進担当者会議実施
・社内外研修への派遣
などにも積極的に取り組んでおります。
【参考】社内制度の導入割合と業種の特徴
職種・雇用形態転換制度
在宅勤務・テレワーク
正社員再雇用・中途採用制度
短時間勤務制度
教育訓練・研修制度
病気・不妊治療休暇
キャリアコンサルティング制度
年次有給休暇時間単位取得制度
フレックスタイム制度
日本標準産業分類における「運輸業、郵便業」は、社会インフラを支える重要な産業であり、正確で安全な輸送サービスの提供が求められます。業種には陸運業、海運業、航空運輸業、郵便業などが含まれ、各業種において異なる職務や技術力が必要です。たとえば、トラック運転手やタクシードライバーは道路を使用する業務を担当し、航空運輸業ではパイロットや整備士などが重要な役割を果たします。また、ECの拡大に伴い、物流業や宅配便業の需要は増加しており、効率的な配達や管理がますます求められています。
運輸業では定時性とスケジュール管理が特に重要であり、24時間体制のシフト勤務が一般的です。また、労働環境は体力を必要とし、特に貨物輸送や配達業務では肉体労働が多く発生します。安全管理が最優先であり、運転免許や資格取得が必須です。さらに、デジタル技術の導入が進み、物流業界では効率的な管理システムの構築が進められています。
顧客対応力も求められ、旅客輸送ではホスピタリティが重要視されます。国際物流や航空貨物では、グローバルな視点と外国語スキルが役立つ場合があり、災害時の緊急対応も重要な役割を果たします。
運輸業や郵便業は安定した需要があり、特に物流業界では成長が期待されていますが、高齢化と後継者不足が課題となっています。これに対処するため、女性や外国人労働者の積極的な採用や、AI・自動化技術の活用が進められています。