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【従業員101人以上の法人様向け】一般事業主行動計画の策定・届出が義務です!

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この記事では、従業員の仕事と子育てに関する「一般事業主行動計画」の策定についてまとめています。次世代育成支援対策推進法(以下、次世代育成法とします)に基づき、常時雇用する従業員数が101人以上の企業は、この行動計画を策定し、その旨を都道府県労働局に届け出ることが義務とされていますので、是非この記事をお役立てください。(100人以下の企業は努力義務です。)

一般事業主行動計画について

一般事業主行動計画とは?

一般事業主行動計画(以下、行動計画とします)とは、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むにあたって、次の3つの内容を具体的に盛り込み策定するものです。

  • 計画期間
  • 目標
  • 目標を達成するための対策の内容と実施時期

対象企業と実施内容

常時雇用する従業員数が101人以上300人以下の企業には、以下の4つの取り組みが義務づけられています。

  1. 自社の⼥性の活躍に関する状況把握、課題分析
  2. 1つ以上の数値目標(※1)を定めた⾏動計画の策定、社内周知、公表
  3. ⾏動計画を策定した旨の都道府県労働局への届出
  4. ⼥性の活躍(※2)に関する1項目以上の情報公表

ポイント

  • 2022年4月から女性活躍推進法の改正により、行動計画の策定や情報公開の義務対象となる企業は、常時雇用する従業員数が「301人以上」から「101人以上」の企業に拡大されました。
  • 常時雇用する労働者数が100人以下である企業については、上記の(1)~(4)は努力義務の扱いとなっています。
  • 常時雇用する従業員数が301人以上の法人様はこちらを参考にしてください!
    関連記事 【301人以上の法人様】「男女の賃金差異」公表義務化について

女性活躍推進法と次世代育成法での一般行動計画の違い

少子化に対応するための法律である次世代育成法の行動計画と、女性の活躍を推進する女性活躍推進法の行動計画は、内容に共通部分もありますが別物です。次世代育成法の行動計画は子育て支援に焦点を当てているのに対し、女性活躍推進法は女性の職場での活躍を促進することを目的としています。
まず、それぞれの法律の趣旨は次の通りです。

次世代育成法

次の世代を担う子どもたちが健やかに生まれ育つ環境をつくることを目的とした法律です。

女性活躍推進法

女性が職業生活においてその希望に応じて十分に能力を発揮し、活躍できる環境を整備することを目的としています。

それぞれの行動計画で義務づけられる内容は、以下のように異なります。
女性活躍推進法の場合、次世代育成法と違って「①自社の女性の活躍に関する状況の把握、課題分析」と「④女性の活躍に関する情報公表」が必ず実施しなければならない義務となっています。

義務の内容
(2022年4月以降)
女性活躍推進法次世代育成法
1.自社の⼥性の活躍に関する状況把握、課題分析義務義務ではないが推奨される
2.⾏動計画の策定、社内周知、公表301人以上の企業は義務
101人以上の企業で一部内容が異なる義務
義務
3.⾏動計画を策定した旨の都道府県労働局への届出義務義務
4.⼥性の活躍に関する情報公表301人以上の企業は義務
101人以上の企業で一部内容が異なる義務
なし

関連記事 【301人以上の法人様】「男女の賃金差異」公表義務化について

女性活躍推進法よりも次世代育成法のほうが、多くの法人様が対象になる一方、少しハードルは低そうです。まずは、次世代育成法に基づく行動計画をつくっていきましょう!

一般事業主行動計画をつくる手順

STEP1 自社の現状や従業員のニーズを把握する
STEP2 現状やニーズに合わせて行動計画を策定する
STEP3 行動計画を公表し、従業員に周知する
STEP4 行動計画を届け出る
STEP5 行動計画を実施する


【参考イメージ】
次世代法に基づく一般事業主行動計画について | 子育て両立支援 | Good!! Work&Lifeとやま – 働き方改革・女性活躍応援サイト[富山県] (good-work-life-toyama.jp)

参考イメージ

それぞれの内容を見ていきましょう。

STEP1 現状を把握し、方針決定する

まず、仕事と子育ての両立に向けて課題となっていることを洗い出しましょう。また、従業員のニーズを把握するにあたっては、以下のような項目を調べてみましょう。

  • ワーク・ライフ・バランス支援制度の認知度、利用意向
  • 現在の支援制度に対する満足度
  • 仕事と子育ての両立で苦労している点
  • 労働時間の短縮や年次有給休暇の取得への希望
  • 今後、会社で検討・実施してほしい支援制度

一般事業主行動計画の策定・届出等について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

STEP2 現状やニーズに合わせて行動計画をつくる

厚労省は、企業における仕事と家庭の両立支援の取組状況を客観的に点検・評価するための両立診断の専用サイトを公表しています。この両立診断の結果に、自社で重点的に取り組むことを記入すれば、比較的簡単に一般事業主行動計画をつくることができます。

  1. 計画期間を決める
    自社の実情にあわせ、計画期間を2~5年の間で設定します。
  2. 目標を設定
    「育児休業の取得率を来年までに70%にする」など具体的な目標を定めます。
  3. 対策を設定
    目標を達成するため、いつまでに、誰が、どんなことをするのかを決めます。

ポイント
女性の活躍・両立支援サイト「両立支援のひろば」をご活用ください! 策定案に行き詰まったら、他社の取組みも参考にするとスムーズにいきます!
両立支援のひろば (mhlw.go.jp)

記入例・モデル行動計画
厚労省の公式サイトには、会社の状況に応じた豊富な記入例があります。自社にあった記入例を見て参考にしてください。
一般事業主行動計画の策定・届出等について|厚生労働省(mhlw.go.jp)

STEP3 行動計画を公表し、従業員に周知する

行動計画をつくったら、その日から3カ月以内に、その計画を一般に公表し、従業員にも周知しましょう。
公表方法は、厚生労働省によるウェブサイト「両立支援のひろば」への掲載、自社のホームページへの掲載、県の広報誌・日刊紙への掲載などがあります。
従業員の周知は、事業所の見やすい場所への掲示や備え付け、従業員への配布、電子メールでの送付、イントラネット(企業内ネットワーク)への掲載などがあります。
「くるみん認定」などを申請する場合は、公表および従業員への周知をした日付が分かる書類が必要になります。公表日や周知日がわかる画面を保存しておきましょう。

両立支援のひろば (mhlw.go.jp)

STEP4 労働局に届け出る

まず、「様式第1号・一般事業主行動計画策定・変更届」に記入します。
一般事業主行動計画の提出先は、電子申請・郵送・持参のいずれかの方法で各都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へ届け出ましょう。各都道府県での連絡先は厚労省の公式サイトで確認してください。

様式はこちらです

記入例はこちらです

STEP5 行動計画を実施しましょう

行動計画に掲げた対策を実施し、目標を達成するために取り組みましょう。新たな計画を策定したら、再度、労働局に届け出ましょう。

一般事業主行動計画のメリット

行動計画で定めた目標を達成し、申請すると「子育てサポート企業」としての「くるみん認定」を受けることができます。さらに、くるみん認定を受けた企業が、より高い要件を満たした場合、「プラチナくるみん認定」を受けることができます。これらの認定を受けることで、公共調達の加点評価対象に

まとめ

2022年4⽉から改正⼥性活躍推進法が全面施⾏されたことにより、⾏動計画の策定や情報公表が義務づけられる企業の対象が拡大されました。常時雇用する従業員数が301人以上の企業から101人以上の企業は新たに義務対象となったため、未実施の企業は対応が必要になります。
この他にも、2022年7月8日以降、政府が決定した「女性活躍・男女共同参画の重点方針 2022」により、上記の企業が公表する「女性活躍に関する情報」の1項目として追加された「男女の賃金の差異」の情報開示が新たに義務化されました。
次世代育成法の「一般事業30主行動計画」は、女性活躍推進法の「一般事業主⾏動計画」と混同されがちですが、実施する義務や目的が異なります。次世代育成法に基づいて子育て支援を実施している企業は共通項目を意識しつつ、それぞれ進めるようにしましょう。また、女性活躍推進法も含め、行動計画を進めるためには、まず自社の状況を把握し課題を分析する必要があります。結果をもとに計画や取り組み内容を策定して、情報の公表と届出を行いましょう。届出をした後も、定期的に情報を更新するよう社内整備を進める必要があります。

ポイント
これらの手続きを単なる事務手続きとせずに、届け出た内容を採用にも活かしませんか?

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