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【女性活躍の推進】えるぼし認定で、採用や公共調達、低金利融資などで有利に!

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女性の社会進出が進み、女性が活躍している企業の証として厚生労働大臣から「えるぼし認定」を受けられます。
この記事では、女性の活躍を推進している企業の事業主・人事担当者に向けて、えるぼし認定取得のメリットや申請内容をまとめています。えるぼし認定を取得することで、優秀な人材の確保や企業のイメージアップ、公的資金調達や金利で優遇が受けられる可能性があるなどのメリットがあります。ぜひこの制度の活用をご検討ください。

えるぼし認定とは?

えるぼし認定とは、女性の活躍推進に関する取り組みを実施する企業に対し、女性活躍推進法に基づいて厚生労働大臣が認定する制度です。厚生労働省定める基準を満たした企業が受ける「えるぼし認定」は、2023年10月時点で2400社以上が認定されています。
また、2020年6月には更なる上位認定制度として、「プラチナえるぼし認定」が施行されました。えるぼし認定を受けた企業の中でも特に意欲的に取り組んだ企業が評価され、2023年10月時点で45社が認定を受けています。

「えるぼし」の名前の由来

「えるぼし」という名前の由来には、「L」には、Lady(女性)、Labour(働く、取り組む)、Lead(手本)などさまざまな意味があり、「円」は企業や社会、「L」はエレガントに力強く活躍する女性をイメージしています。
「L」がデザインされた円の上に星が輝くデザインにふさわしく、様々な企業や社会の中で活躍し、星のように輝く女性への「エール」と、そんな輝く女性が増えていくようにとの願いを込めて「えるぼし」となっています。

えるぼし」の名前の由来

引用: 女性活躍推進法認定マークの愛称を決定しました|報道発表資料|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

えるぼし認定とくるみん認定の違い

「えるぼし認定」と混同されやすい制度として、「くるみん認定」があります。「えるぼし認定」「くるみん認定」はどちらも女性活躍に取組む企業を認定する点では共通していますが、根拠となる法律や目的が異なっています。

えるぼし認定とくるみん認定の違い

引用: えるぼし認定・くるみん認定 | 東京都 女性従業員のキャリアアップ応援事業 (tokyo.lg.jp)

えるぼし認定

女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進に関する状況や取組等が優良な企業を認定する制度です。認定のレベルは1つ星~3つ星の3段階あり、星の数が増えるほど、女性活躍が進んでいることを表します。特に女性活躍において優れた結果を納めている企業は、「プラチナえるぼし認定」を受けることができます。

くるみん認定

次世代育成支援対策推進法に基づき、一定の基準を満たした企業を認定する制度です。女性の仕事と子育ての両立を支援・サポートをしている企業に対して、厚生労働省が認定し取得できるものです。トライくるみん認定、くるみん認定、プラチナくるみん認定があります。また、各くるみんの一類型として、不妊治療と仕事を両立しやすい職場環境整備に取り組む企業の認定制度「プラス」が創設されました。
女性の活躍推進やキャリアアップを評価する「えるぼし認定」に対し、「くるみん認定」は出産や育児などの子育て面に関連したサポートの有無を評価するという点が大きな違いです。
なお、えるぼし認定とくるみん認定は併せて取得でき、どちらも取得することで女性が働きやすい企業としてより一層イメージアップ効果が期待できます。企業ブランド・企業イメージが向上し、優秀な人材や多様性のある人材の確保につながる取り組みでしょう。

関連記事【仕事と育児の両立支援】くるみん認定で、採用や公共調達、低金利融資などで有利に!さらに助成金も受けられる!

えるぼし認定の5つの基準とは?

えるぼし認定を受けるためには、以下の5つの基準項目の実施を、厚生労働省が運営するサイト「女性の活躍推進企業データベース)」に毎年公表することが求められます。

  1. 採用
  2. 継続就業
  3. 労働時間等
  4. 管理職比率
  5. 多彩なキャリアコース

それぞれの項目の基準を次の表で説明していますので、参考にしてください。

えるぼし認定を受けられる基準

1.採用男女の採用競争率を同等程度としていること
2.継続就業2つの基準のうち、どちらかを満たすこと
雇用管理区分ごとの「女性社員の平均継続勤務年数」÷「男性社員の平均継続勤務年数」が、それぞれ7割以上であること
雇用管理区分ごとの「10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された女性社員の継続雇用割合」÷「10事業年度前およびその前後に採用された男性社員の継続雇用割合」がそれぞれ8割以上であること
3.労働時間時間外労働・休日労働の合計時間を毎月45時間以内にする
4.管理職比率管理職比率に関する2個の基準のうち、どちらかを満たすこと
直近の事業年度にて、管理職に占める女性の割合が産業ごとの平均値以上であること
直近3事業年度の平均した「課長級より1つ下位の職階にある女性社員のうち課長級に昇進した女性社員の割合」÷「課長級より1つ下位の職階にある男性社員のうち課長級に昇進した男性社員の割合」が8割以上であること
5.多彩なキャリアコース女性非社員の正社員登用など4個の基準のうち、大企業は2個以上・中小企業は1個以上を満たすこと女性の非正規社員の正社員への転換
女性社員のキャリアアップにつながる雇用管理区分の転換
過去に在籍した女性の正社員としての再雇用
おおむね30歳以上の女性の正社員としての採用

参考:女性の活躍推進企業データベース | トップ (mhlw.go.jp)

えるぼし認定の3段階とは?

えるぼし認定は認定基準に応じて3段階に分類されます。認定マークの星の数と色で示される3つの段階について、基準や概要を見ていきましょう。

えるぼし認定の3段階とは?

1段階目(一つ星)

前述した5つの認定基準のうち、つまたは2つの基準を満たしている企業はえるぼし認定の1段階目にあたります。
満たした基準の実績は、「女性の活躍推進企業データベース」へ毎年公表することが必須条件です。
また、基準を満たしていない項目は、事業主行動計画策定指針に定められた取組みの中から関連するものを実施し、実施状況をデータベース上に公表しなければなりません。さらに2年以上連続して実績の改善に取り組むことが必要です。

2段階目(二つ星)

5つの認定基準のうち、3つまたは4つの基準を満たす企業は、えるぼし認定の2段階目に該当します。1段階目と同様に、認定基準の実績は「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表する必要があります。
基準を満たしていない項目の取り扱いについても第1段階と同様の条件です。

3段階目(三つ星)

採用、継続就業、労働時間、管理職比率、多彩なキャリアコースの5つの基準をすべてクリアし、その実績を「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表している企業は、えるぼし認定の3段階目に分類されます。

プラチナえるぼし認定とは?

「プラチナえるぼし認定」とは、えるぼし認定の上位認定として2020年6月に創設された制度です。認定されると「プラチナえるぼしマーク」が付与され、自社のホームページや自社製品などにつけてアピールできます。

プラチナえるぼし

引用:雇用環境・均等行政をめぐる 最近の動き (mhlw.go.jp)

プラチナえるぼし認定企業は、一般事業主行動計画の策定・届出が免除されます。
通常のえるぼし認定には、一般事業主行動計画の策定とデータベース上への取り組み実績公表という2つの作業も必要でした。プラチナえるぼし認定は優良企業である証明となるため、一般事業主行動計画の策定・届出が免除され、業務の効率化や負担軽減が期待できるようになります。

プラチナえるぼし認定取得のための条件

「プラチナえるぼし」の認定には、えるぼし認定の3段階のうちいずれかを受けたうえで、下記の要件をすべて満たす必要があります。

  • 策定した一般事業主行動計画に基づく取組みを実施し、行動計画に定めた目標を達成したこと
  • 男女雇用機会均等推進者、職業家庭両立推進者を選任していること(※)
  • プラチナえるぼしの管理職比率、労働時間等の5つの基準の全てを満たしていること(※)
  • 女性活躍推進法に基づく情報公表項目(社内制度の概要を除く)のうち、8項目以上を「女性の活躍推進企業データベース」で公表していること (※)の実績を「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表することが必要

なお、えるぼし認定取得のための5つの基準項目につき、「2.継続就業」と「4.管理職比率」の条件が加わっています。変更点のみ抜粋してご紹介します(変更点は太字で表記)。

2.継続就業2つの基準のうち、どちらかを満たすこと 雇用管理区分ごとの「女性社員の平均継続勤務年数」÷「男性社員の平均継続勤務年数」が、それぞれ,8割以上であること 雇用管理区分ごとの「10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された女性社員の継続雇用割合」÷「10事業年度前およびその前後に採用された男性社員の継続雇用割合」がそれぞれ 9割以上であること
4.管理職比率管理職比率に関する2個の基準のうち、どちらかを満たすこと
・直近の事業年度にて、管理職に占める女性の割合が産業ごとの平均値の1.5倍以上であること
ただし、1.5倍の数字が15%以下の場合は、
・管理職に占める女性労働者の割合が15%以上であること
40%以上の場合は、管理職に占める女性労働者の割合が正社員に占める女性比率の8割以上であること

プラチナえるぼし認定は新たに設けられた基準を満たすのみならず、えるぼしと同様の基準項目についても、えるぼしより高い基準を求められているのが特徴です。

えるぼし認定を受ける4つのメリット

えるぼし認定を受けると、企業イメージの向上以外にも、企業を経営する上でのメリットがあります。4つのメリットについて説明していきます。

メリット1.採用活動で優秀な人材を集められる

1つ目のメリットは、採用活動で優秀な人材を確保できることです。女性の就労が当たり前になった今、結婚や出産後も働き続けたいと考え方が一般的になっています。

えるぼし認定は公共職業安定所(ハローワーク)での求人活動に活用できます。ハローワークの求人票や求人情報画面にPRロゴマークとして使用し、女性が活躍している企業だとアピールできます。表⽰を希望する場合は、ハローワーク窓口に問い合わせましょう。

求職活動中の方に積極的にアピールでき、キャリアアップを目指す仕事への意欲が高い女性が求人に応募する確率が高まります。えるぼし認定を受けたことによって企業の知名度やイメージがアップし、労働時間についての項目もあるため、女性のみならず男性の応募者の増加も見込めます。
より採用を充実させよう!

関連記事「さんかくねっと」とは?

メリット2.自社のイメージとネームバリューアップに貢献できる

2つ目のメリットは、自社のイメージアップやネームバリューの向上に貢献できることです。
えるぼし認定取得後は、認定段階に応じた認定マークを自社の商品や名刺、パンフレット、広告などに使用し、女性が活躍している企業だと世間にアピールできます。

また、厚生労働省のサイトにも「えるぼし認定企業」として掲載されるため、女性が活躍できる企業として世間に公表できます。顧客満足度の向上に加えて、企業のイメージや知名度アップによる企業の発展が期待できるでしょう。

メリット3.公共調達の際にプラス評価が期待できる

3つ目のメリットは、えるぼし認定企業が中央省庁による公共調達のうち、総合評価落札方式あるいは企画競争による場合、プラスの評価を受けられることです。
えるぼし認定企業はワーク・ライフ・バランスを推進する企業を評価する項目に該当し、加点は一つ星から三つ星の認定段階によって異なります。
公共事業は事業規模が大きく、入札が有利に進められるのは企業にとって有益です。

メリット4.低金利融資の優遇措置を受けられる

4つ目のメリットは、日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援資金」を通常より低金利で利用できる点です。
日本政策金融公庫は、100%政府が出資の政策金融機関です。銀行などと同様、個人・法人に向けてお金を貸してくれます。融資を通じて、日本経済の成長や発展と地域社会の活性化を目指しています。日本政策金融公庫の融資は、個人向けの教育ローンや中小企業向けの創業向けの新規開業資金など様々な種類があり、それぞれ融資額や申し込み時の書類は異なります。

「働き方改革推進支援資金」の詳細は、日本政策金融公庫のホームページでご確認ください。

出典:働き方改革推進支援資金|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)

新規の事業を展開する予定がある企業には、日本政策金融公庫の低金利は非常に魅力的なのではないでしょうか。

えるぼし認定を取得すための4つのフロー

えるぼし認定を取得するには、「一般事業主行動計画」の策定や届出などの手続きが必要です。

行動計画の策定や届出を実施した企業のうち、評価基準を満たす企業が都道府県労働局への申請によってえるぼし認定を受けられます。一般事業主行動計画の策定や届出はこちらを参考にしてください。

関連記事 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画を 策定しましょう!!

えるぼし認定についての2つの注意点

さまざまなメリットのある「えるぼし認定」ですが、注意点もあります。

  • えるぼし認定は取り消し・辞退になるケースがある
  • 数値目標の達成のみに注力し、無理な人事配置を行うのはNG

以上の注意点について、詳しく見ていきましょう。

えるぼし認定は取り消される場合もある

えるぼし認定は一度取得すればずっと継続していくという訳ではなく、取り消しになるケースがあります。また、企業側から辞退を申し出るケースもあります。

【取り消されるケース】

えるぼし認定を取得した企業や事業所が、重大な法令違反または是正勧告を受けても是正していない場合は、不認定や認定取消の対象になります。

【辞退するケース】

数値基準を満たせなくなったからといって取り消されることはありません。しかし、事業主が申し出ることで認定の辞退は可能です。
認定を辞退した企業は、再度基準を満たしたうえで認定を申し出れば取得できます。
ただし、法令違反などにより認定を取り消された場合には、取り消しから3年経過するまでは再取得ができないと決められています。

数値目標達成のみにこだわり目的を見失わないようにする

えるぼし認定を取得するための数値目標達成のみに執着し、女性従業員や周囲の望まない人事異動や役職転換を行わないようにしましょう。女性管理職比率を上げるのは重要ですが、管理職としての職責を果たすには経験や実力が不足している場合に管理職へ転換させるのは好ましくありません。

本人や周囲への負担が大きく、組織のマネジメント能力の低下を招き、業務の生産性や本人・周囲のモチベーションを低下させる恐れがあるため注意しましょう。

まとめ

えるぼし認定取得のメリットや申請フローなどについて説明しました。えるぼし認定は女性が活躍できる企業の証であり、取得することで優秀な人材の確保や企業のイメージアップ、公的資金調達や融資の際に低金利で優遇が受けられるなどのメリットがあります。
また、えるぼし認定には労働時間の基準項目が含まれ、女性を含む従業員すべてが働きやすい環境に繋げる大切な取り組みでもあります。
えるぼし認定を取得し、女性を含む従業員全員が輝ける企業へつなげましょう!

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